半導体製造などに使う「スパッタリングターゲット」で高いシェアを持つJX金属。最先端材料を作る現場を取材した。

東京の都心から約170キロ、茨城県北茨城市の磯原工業団地にJX金属磯原工場はある。開業は1985年。東京ドーム5個分にあたる24万㎡超の敷地で、約1300人の従業員が半導体向け薄膜材料「スパッタリングターゲット」などを製造している。
半導体の基板となるシリコンウェハーに回路を描くとき、まずは回路の素材となる薄膜層をウェハー上に作る。成膜の方法の1つがスパッタだ。
真空のスパッタリング装置内でアルゴンイオンを銅などでつくった「円盤の的」にぶつけ、銅原子をウェハー上に降り注ぐことでナノレベル(ナノは10億分の1)の薄い膜を形成する。スパッタの的が文字どおりスパッタリングターゲットとなる。
磯原工場で扱うスパッタリングターゲットの元素は銅やタンタルなど50種類以上。出荷されるスパッタリングターゲットは、スマートフォンのロジック半導体やメモリー半導体、データセンターのGPU(画像処理装置)など幅広い用途で使われる。
「AI(人工知能)がらみの製品が好調だ。銅を中心とした半導体向けターゲットも堅調」と山越康廣工場長は話す。
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