世界の半導体大手企業と30年以上にわたり仕事をしてきた業界内では知る人ぞ知る伝説級エンジニアが、皆さんを知られざる半導体工場の世界にお連れします。
ゴールデンウィークも終盤です。家族や友人と、または1人でいろんなところにお出かけして楽しんでいる方もいれば、混雑が嫌だからと家でのんびりすごされている方もいるでしょう。
ただ、せっかくの連休です。少しくらいはいつもと違う雰囲気を味わってみませんか。ということで、最近何かと話題の半導体が作られる現場に読者の皆さんをお連れして、ほぼ毎週日本や台湾、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地の半導体工場を飛び回る現役エンジニアの情ポヨが解説していきます。
といっても、残念ながら実際に現場に連れて行けないので、記事でのご紹介です。セキュリティも厳しいので写真などもなく主にテキストだけです。それでも半導体に普段馴染みのない皆さんに半導体工場やそのセキュリティの雰囲気を知ってもらえたら嬉しいです。
なお、下記で登場する企業や工場は架空のものです。また資料にはニューヨーク州立工科大学のSUNY Poly EH&S TrainingのCleanroom Safetyのものを引用しています。
半導体工場に入る前から大変!
まず一般人は半導体工場に入れません。そこで今回、皆さんは日本が誇る半導体製造装置メーカー「ダイコン」のフィールドサービスエンジニアです。ようやく社内研修を終えて、とある東アジアの島国にある顧客の半導体工場に先輩数人および社外のベテランエンジニアである情ポヨと一緒に行くことになりました。
東京の羽田空港から3時間ほどのフライトを終えて先方がいる国の空港に着くと、お迎えの革張りシートのハイヤーがきています。それに1時間ほど揺られると目の前に先ほどまで乗っていた飛行機が十数機も入りそうな巨大な半導体工場が現れます。
その工場に正面のエントランスから入って、会議室のようなところに案内されます。そこで事前に申請していた仲間数人とともにまずは安全教育を受けます。安全教育は現地の言葉で作られた動画ですが、日本語と英語の字幕も付けられており、行ってはいけない場所、触ってはいけない物、安全上のトラブルがあった場合の対応方法、緊急通報先や避難場所など、その半導体工場における重要な内容が1時間ほどかけて説明されます。
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