有料会員限定

総投資額1兆円の半導体工場「TSMC熊本」の衝撃 ソニー&トヨタが出資、半導体企業も続々進出

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

日本初のTSMC工場は半導体産業再興の起爆剤になるか。

JASM社屋の外観
(写真:記者撮影)

特集「TSMC熊本が始動」の他の記事を読む

『週刊東洋経済』3月23日号の産業リポートは「1兆円の巨大半導体工場 TSMC熊本が始動」。日本初のTSMC工場は、半導体産業再興の起点となるか。現地取材を基に最新動向をリポートする。

【配信予定】3月18日(月)
伝説のエンジニアと組んだ半導体ラピダスの前途
四季報で発見「熊本&AI」が追い風の半導体20銘柄
週刊東洋経済 2024年3/23号(絶頂トヨタの試練)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年3/23号(絶頂トヨタの試練)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

2月24日、熊本県の菊池郡菊陽町。広大なキャベツ畑で朝から農家が収穫作業に追われる中、その向かいにそびえ立つ巨大な半導体工場には、国内外の要人が続々と集まっていた。

「日本における半導体製造の“ルネサンス”の始まりだと信じ、期待しています」

この日行われていたのは、台湾にある世界最大の半導体製造受託会社・TSMCによる熊本工場の開所式だ。同社創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏も来日。日本の半導体製造への期待をセレモニーで語った。

1931年生まれのチャン氏は、米国の大手半導体メーカー、テキサス・インスツルメンツの副社長を務めた後、87年にTSMCを創業。2018年に引退するまでTSMCを率いた、立志伝中のカリスマ経営者だ。その言葉に会場は沸き立った。

日本政府が必死の誘致

TSMCが総投資額86億ドル(約1.2兆円)を費やして熊本県に半導体工場を建設すると発表したのは21年10月のこと。米中対立やコロナ禍でのサプライチェーン混乱を受け半導体政策に力を入れる日本政府の必死の誘致が功を奏した。政府からの支援額は最大で4760億円に上る。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内