松下幸之助、稲盛和夫、藤田田、孫正義… 名経営者たちの金言に学ぶ「増長する若手社員」を上手に遇する社内処世術

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
松下幸之助、稲盛和夫、藤田田、孫正義
左から松下幸之助氏、稲盛和夫氏、藤田田氏、孫正義氏。名経営者たちは若手社員の増長について、どのような名言やエピソードを残したのか(撮影:東洋経済写真部)
上司を上司とも思わない若手社員の台頭は、現代の中間管理職が抱える大きな悩みの1つだ。こうした若手社員の態度を「増長」の一言で切り捨てたいところだが、若手社員には彼らなりの言い分がある。にもかかわらず、本質的な解決策は依然として見つかっていない。
悩める中間管理職は、どのように振る舞うのが現代日本における最適解なのか。本稿では複数の金言やエピソードを引用しながら、前後編に分けて「令和の社内処世術」を考えていく。
前編:なぜあの若手は態度がデカいのか? 「上司を上司とも思わないZ世代」を劇的に変える"驚きの処方箋"
(外部配信先ではハイパーリンクや画像がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンラインでご覧ください)

令和の時代に響く松下幸之助の金言

高学歴で仕事ができる人の能力を高く評価し、将来の幹部候補として期待している企業は多い。ところが、「転職・離職を考えたことがある」と回答した入社1~3年目の社員は7割を超えている(マイナビ「若手社員のキャリア意識調査」)。彼らを辞めさせまいとする経営陣からの圧力が上司の指導力を弱め、若手社員に攻撃的な言動を許容する結果につながった。

今どき、少しでも厳しい言い方をしたと思われれば、ハラスメント相談窓口に駆け込み、内部告発されるおそれもある。その結果、降格、さらには失職につながりかねない。そのような上司の弱みを「賢い部下」は察知している。結果として彼らの「増長」を加速してしまう。

そこに上司に対する嫌悪感が重なれば、年功序列が崩壊したのをいいことに上司の足を引っ張り始め、「下剋上」を狙おうとする。そのため、上司の反対勢力(派閥)に加担し、周囲から包囲するように攻めてくる。

ここで活躍するのが、嫌悪する人の噂を流す「忍びの者」である。意外にも「忍びの者」は、中間管理職と同じフロアにいるかもしれない。しかし、このような「内応工作」による混乱を阻止するため、企業は各所に優秀な「目付」を配置している。このような監視機能がない企業は内紛が生じやすい。とはいえ、そうしなくてはならない企業は、健康的とはいえない。

次ページ「一流の人材ばかり集めると会社は…」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事