松下幸之助、稲盛和夫、藤田田、孫正義… 名経営者たちの金言に学ぶ「増長する若手社員」を上手に遇する社内処世術

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セロトニンは精神の安定や感情のコントロールに関与しており、その分泌量が減少すると、気分の不安定化、攻撃性の増加、さらにはうつ症状などを引き起こす可能性がある。

女性の攻撃性は男性とは異なる。陰口や無視、意図的に談笑を避ける、など表面的には普段と変わらない穏やかな様子に見えても、職場の雰囲気やチームの協調性に大きな影響を与えかねない。

このように若手社員の言動は、さまざまな因子が複雑に絡み合っている。これらの知識を持っているかいないかで、管理職と部下の関係は大きく変わる。

全世代に刺さる稲盛和夫の忠告

誰でも、気が合わない人はいるだろう。皆、多様な要因のもとに性格が形成されているから、工夫しなけば合わないというのが当然の関係性なのだ。その隙間を埋めるのが知識である。

知識習得の重要性まで読んで、「ご説ごもっともなアドバイスは社内研修で十分」と思った読者もいるのではないだろうか。確かに、魑魅魍魎の組織では、ご説のとおりに事は運ばない。泥水を飲んだことがない若手社員は、短期間で変革する「革命」を夢見がちである。だから上司に歯向かうこともあるだろう。

昔なら怒鳴り散らす上司も少なくなかったが、今は、笑顔で「そうだね」と話を合わせていても、内心では「この野郎」と憤っている可能性がある。若手社員だけでなく昇進したばかりの中堅社員にも、友達感覚、兄弟感覚で接してくれる上司の本心を読む感性と周囲がサポートしたくなるような言動が求められる。

京セラ創業者の稲盛和夫氏はこう忠告していた。

「能力が向上し、地位が上がっていくと、傲慢になりがちである。常に『謙虚さ』を忘れてはならない。他人の意見を素直に聞く心を持ち、真理を追求し続ける姿勢が重要である」

この名言は、中間管理職だけでなく、若手社員に対する戒めであるようにも聞こえる。

「謙虚さ」と言われれば、精神論のように聞こえるかもしれない。だが、この美徳も表現しなければ他者には通じない。そこで、人間は環境に合わせて「理解したふり」をする。

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