松下幸之助、稲盛和夫、藤田田、孫正義… 名経営者たちの金言に学ぶ「増長する若手社員」を上手に遇する社内処世術

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ここで、松下幸之助氏の言葉を引用したい。

「一流の人材ばかり集めると会社はおかしくなる。世の中、賢い人が揃っておれば万事上手くいくというものではありません。賢い人は、一人か二人いればたくさんです」(「松下幸之助の名言格言100選」より)

この言葉が示すように、秀才たちだけで組織を構成すると、かえってバランスを欠き、衝突や不協和音が生じる可能性がある。多様な人材が調和してこそ、組織は健全に機能するのである。

令和の中間管理職がもっておくべき“知識”

日本で賢い人といえば、高学歴者を指すのがつねだ。とくに有名大企業ではその傾向が顕著。彼らは厳しい受験競争を経て、競争が激しい就職戦線でも勝ち抜いてきた。ずっと勝ち続けるのは並大抵のことではない。表に出すか出さないかの違いはあれど、彼らの闘争心は非常に強いことだろう。

ただし、高学歴者が皆、自己主張が強く攻撃的であるとはいえない。筆者が付き合っている高学歴者は、謙虚で周囲との和を重んじる人が多い。個人の性格や価値観は、学歴や知能だけでは測れない。

男性の攻撃性には、男性ホルモンの一種であるテストステロンが大きく関与している。テストステロンは思春期以降に急激に分泌量が増加し、20代前半にピークを迎えるとされている。

このホルモンは、やる気や集中力、支配的な行動を促す一方で、競争や闘争といった状況下ではさらに分泌量が増加し、攻撃性を高める働きがある。なお、テストステロンは女性にも分泌されており、量は男性より少ないものの、行動や感情に一定の影響を及ぼす。

テストステロンの分泌が活発な年齢の若手男性社員の場合、その攻撃性が職場において顕著に表れやすい。例えば、上司に対して論理の破綻を執拗に追及したり、「その指示は非効率です」「私の仕事の邪魔になるから〇〇さんに▲▲をさせないでください」など、率直に不満をぶつけてくる。

一方、女性の場合、とくに生理前の月経前症候群(PMS)の発症時、出産後、更年期などで、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが変動し、攻撃性や感情の起伏に影響を及ぼす。このような現象は、感情を司る脳内の神経伝達物質、とくにセロトニンの分泌量がホルモン変動によって低下することで生じる。

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