「新人退職ラッシュ」の5月。1人辞めると「売上5000万円」が水の泡? 新入社員が「だまされた」と誤解しないための経営心理学
まず、理由の1つ目が「辞めやすい環境が整っている」ということです。
今、人手不足の会社が多く、かなりの売り手市場(求職者よりも企業の求人数のほうが多く、求職者に有利な状況)の状況にあります。
そのため、テレビには転職関連のCMが頻繁に流れ、スマートフォンには転職サイトの広告や好待遇の募集広告が絶えず表示され、人材紹介会社からはスカウトメールが届き、「もっと条件の良い会社があるから、今の会社を辞めて転職しよう!」というメッセージを今の若手は頻繁に目にしています。
その背中を押すように、SNSには「1カ月で辞めたけど転職して年収UP」「ブラックを脱出して救われた」といった第二新卒の成功談が大量に流れています。
辞めやすい環境が整っている
また、入社直後に転職サイトに登録することは若手にとっては当たり前のことで、中には出社初日に登録する人もいます。
そして、通勤電車の中で転職サイトを眺め、今の会社より条件の良い転職先をいくつかみつくろい、いざ辞めるとなった場合は退職代行サービスを利用すればストレスなく辞められます。
マイナビが2024年10月に発表した「退職代行サービスに関する調査」によると、直近1年間の転職者で退職代行を利用した人は16.6%にのぼり、退職代行サービスの利用者は年々増加傾向にあるとのことです。
このように辞めやすい環境が整っていることが、新人の超早期離職を後押しします。
そして、2つ目の理由が「入社前の説明と入社後の実態が違った」ということです。
新入社員などが、入社前に仕事に対して抱いていた理想と入社後の現実とのギャップに戸惑う状態を「リアリティショック」といいます。
リアリティショックの内容としては、こういった声が聞かれます。
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