「会社、辞めたい」の原因は4つの深層心理にあった 「離職防止」喫緊の課題になった時代の基礎知識
「料理人である以上、若手には指導しなければならないし、そうでないと人は育たない。なのに最近は、間違いを指摘しただけでパワハラ扱いされるし、パワハラだと受け取るような子は簡単に辞めてしまう。もちろん厳しければいいわけじゃないけど、こんな状況が続くなら優秀な料理人は絶対に減っていくよ」
先日、フランス料理店を経営する知り合いのオーナーシェフから、こんな話を聞いた。彼は決してパワハラをするようなタイプではなく、むしろ人柄は穏やかだ。しかし、そんな人間でさえ部下の扱い方に悩まざるを得ないほど、昨今の若手の扱い方は難しいのだろう。
「離職防止」が企業の喫緊の課題となった
もちろんそれは一例にすぎないが、そんな話を聞いた矢先だったからこそ、『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』(藤田耕司 著、東洋経済新報社)の著者の指摘にも納得してしまったのだった。
その一方、メディアは転職関連の情報であふれ、人材紹介会社からもメールが届くなど、若手に転職の誘惑は多い。しかも転職に失敗したとしても、退職代行会社に依頼すればストレスなく簡単に辞めることができる。
つまり現代の上司には、そんな状況下にある部下の離職を防ぎ、かつ一人前に育て、ひいては会社の成長につなげることが求められているのである。
にもかかわらず、上記の知人の例にもあるような部下の反応に戸惑う上司も決して少なくはない。
だからこそ上司はそういった状況に対応するために、「離職の心理」を理解する必要があるのだと著者はいう。
なぜなら当然のことながら、それぞれの離職の背景には必ず、“離職を決意させた心理的要因”があるからだ。
ちなみにその主張は、確固たるバックグラウンドに基づくものである。
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