神座本店のある道頓堀は、今やインバウンドが押し寄せる観光地だ。その対応はどうしているのか気になって尋ねると、インバウンドを顧客ターゲットに据えた店舗を用意したという。
元々はインバウンドと国内客と分けようとは思っていなかったそうだが、他の客の迷惑や、インバウンドもゆったり食べられるように配慮した結果、ゆるやかに分ける形になったそうだ。
きっかけとなったのは、2024年11月までリニューアル工事していた道頓堀本店で、改装後、創業当時の約8倍の72席に拡大。そこで、インバウンドマーケティングの一環としてツアー会社とタッグを組み、団体客を集客する流れとなった。

現在は、住之江店、鶴見店などでもインバウンドの団体客を受け入れており、1回で多いときは30人が訪れる。本店は1日平均10カ国からインバウンドが訪れる、国際色豊かな店になっている。
「ハイブリッド戦略」が成長のカギに
取材を通じて、神座の急成長と客層拡大の要因は、「ハイブリッド戦略」にあると感じた。長年培った「ラーメンレストラン」のコンセプトや清潔感、ヘルシーな「白菜ラーメン」という独自性は変えずにそのまま活かし、出店場所やマーケティング手法を大胆に変える戦略が功を奏したのだ。
この手法は、「既存顧客を大切にしながらも、新規市場を開拓せねばならない」という、多くの成熟企業が抱える課題を解決するモデルケースとも言えそうだ。

後編の記事ー女性が殺到「神座」"フレンチ由来"スープの凄みーでは、神座の全店直営方式と、それを支えるスープソムリエ制度、さらに、「700店舗構想」を可能にする人材戦略とDXの取り組みについて紹介する。
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