国内初、生成AIがオフィスレイアウトを15分で提案──KDDIの無償ツールが設計業界に与える衝撃

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オフィスレイアウト
KDDIは国内初となるオフィスレイアウトを生成AIで作成するツールを2026年度に提供すると発表した(筆者撮影)
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「この見積もり、本当に妥当なんでしょうか」

オフィス移転を検討する企業の総務部門で、こんな声が上がることは珍しくない。複数の内装業者から見積もりを取っても、1億円と8000万円の差がどこから生まれるのか判断できない。役員会で「なぜこの業者なのか」と問われても、明確な根拠を示せない。結局、相見積もりを取り直し、資料作成に1カ月を費やす──。

この総務部門の悩みに目を付けたのがKDDIだ。同社は8月19日、2026年度から企業の総務担当者向けに、オフィスレイアウトと概算見積もりを15分で自動生成するAIツールを無償提供すると発表した。通信会社がなぜオフィス設計に参入するのか。そこには年間売上800億円を狙う、したたかな戦略があった。

「価格が分からない」という企業の本音

「価格コストが分かりづらい。見積もりが出てきても、その妥当性が分からない。イメージがしにくい」

東京・高輪ゲートウェイシティの新本社で開かれた説明会で、KDDIビジネスデザイン本部ビジネスイノベーション推進1部長の平田康彦氏はオフィス移転の課題をこう指摘した。

実際、オフィス移転や改装の見積もりは不透明だ。什器の単価、工事費、デザイン料──。項目は並んでいても、それが高いのか安いのか判断する基準がない。総務担当者は設計の専門家ではない。結果として、付き合いのある業者や、大手というだけで選んでしまうケースも多い。

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