国内初、生成AIがオフィスレイアウトを15分で提案──KDDIの無償ツールが設計業界に与える衝撃
この市場の拡大に合わせて、KDDIはコンセプト設計から什器、保守・運用までを月額のリカーリングビジネスで提供することを検討している。企業は事業内容の変化や部門間の移動で頻繁にレイアウトを変更する必要がある。什器をKDDIが資産として保有することで、組織変更のたびに買い替えるのではなく、必要に応じて入れ替えられる。廃棄ロスも減る。
オフィス構築が「買い切り」から「サブスクリプション」へ。この流れが進めば、初期投資を抑えたい中小企業にもオフィス改善の機会が広がる。
2026年、何が起きるか
2026年度の無償公開まであと1年。このツールが普及すれば、オフィス移転・改装の商習慣は大きく変わる可能性がある。
総務部門は、専門知識がなくても概算を把握できるようになる。経営層への説明も、3Dビジュアルと明確な金額根拠があれば説得力が増す。何より、1ヵ月かかっていた検討期間が大幅に短縮される。
フィリピンで2つの法人(約200名規模)を2024年に統合した商船三井の現地法人は、すでにKDDIにオフィス構築を一任している。「オフィスビルの選定から什器調達、ICTインフラ構築まで全てKDDI 1社に任せることができた」(MOL Enterprise・高松泰則社長)。
通信会社がオフィス設計に参入し、AIで見積もりを透明化する。一見異色に見えるこの戦略は、データとテクノロジーで既存産業を変革する典型例かもしれない。総務部門の業務が変わり、設計業界の商習慣が変わり、オフィスの在り方そのものが変わっていく。
KDDIの無償AIツールは、その変化の起点となるか。2025年のリリースが、オフィス業界の転換点として記憶される日が来るかもしれない。
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