本来の実力を取り戻してきた
――直近の株価上昇が顕著です。
ものすごく高くなったというふうには考えていない。株価が(5年前の)6倍以上になっているが、それでも今日(インタビューは11月21日に実施)の時点でPBRは0.96。まだ1に達していない。
5年前は株価500円前後、PBRは0.2から0.3の水準で異常に低かった。2015年にバーバリーのライセンス権がなくなった後、ずっと赤字続きで、将来の展望も見えないような状況だった。
しかし、在庫の改善やコスト管理などを進めたことで、しかるべき形にすることはできた。良くなったというより、悪かった状況からノーマルに近いところまで戻ってきた状況だ。
――本来の実力を取り戻してきたというところですか
そうだ。構造改革によってファンダメンタルズは明らかに好転している。会社全体できちんと利益を出すことができるようになってきた。
また、社員1人ひとりが成功体験を積み上げてきたことで、収益性への効果もさらに高まっている。結果が出るようになったことによって、「自分のやっていることは間違っていない」という自覚や確信ができつつある。不安がなくなって、社員のモチベーションが上がっている。
――ただ、26年2月期の上期(25年3~8月期)決算は2億円の営業赤字に転落しました(前年同期は営業利益6億円)。
1つには気象条件が非常に読みにくかった。春先の3月は気温が低く、春商戦の初動が遅れた。そして、7月や8月の記録的な猛暑。8月後半の秋商戦も飛んでしまい、プロパー商戦の開始時期にイレギュラーな気象状況が重なった。
さらに、物価が上昇して消費マインドが冷え込んだ。ユニクロやしまむらなどのマスマーケットは活況だったが、ラグジュアリーや高額商品が苦戦した。当社でも百貨店販路の不振が影響して厳しい決算を強いられた。




















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