在宅でも仕事はできるけれどオフィスに向かう訳 「働き方」が左右する日米オフィス市況の命運
コロナ禍のリモートワークを経て、アメリカではオフィス回帰の機運が高まる一方、日本では出社率が高いまま。働き方の違いは、オフィスが社員を惹きつける場か、コストカットの対象かという位置付けを左右する。
2024年の仕事始めは、どこで迎えただろうか? コロナ禍を経て在宅勤務が広く普及したが、「新年の初日くらいは」と空気を読んで、オフィスに出社した人もいるだろう。
日本のオフィス出社率は、主要先進国と比較して高い水準にある。この要因として、産業構成や通勤時間、住宅事情などの違いに加えて、暗黙のルールや了解など、空気を読む「ハイコンテクスト文化」が影響していることが指摘されている。
その対極にあるアメリカは、明示的なコミュニケーションを重視する「ローコンテクスト文化」であり、オフィス出社率が低い傾向にある。しかし、2023年はアメリカにおいても「オフィス回帰」の機運が高まった。
アメリカでも「フルリモート」は少数派に
リモートワークを象徴する企業であるZoomが週に最低2日のオフィス出社を義務付けたことが大きな話題となった。さらに、リモート重視だったAmazonやMeta(旧Facebook)も、2023年から週3日のオフィス出社方針に転換した。
実際、マンハッタンでまったく出社しないフルリモートの人の割合は、2022年4月の28%から2023年9月には6%まで減少した。しかし、フル出社の人もわずかに8%から12%に増加しているにすぎず、コロナ禍前の働き方に戻ったわけではない。リモートと出社のハイブリッドな働き方が主流になり、週3日出社の人が17%から44%に増加した。
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