購入物件の価値と収益の向上を目指してもうまくいかないことがある。
バリューアッドはいつも成功するとは限らない。改装・リノベーションを施して賃料を上げたとしても、入居希望者がいなければ投資回収は難しい。
賃料が高く、巨大すぎて埋まらない
東京都港区。赤坂駅近辺の好立地に23階建てのビルがある。2019年に竣工した当初はホテルとして稼働していたが、翌年から新型コロナウイルスが流行し、前運営者はあえなく撤退。そこへ、シェアオフィスビルへの転換を試みたのが不動産アセットマネジメント大手のケネディクスだった。ファンドを組成して投資家を招聘しビルを取得、運用に走った。
2023年7月に開業したシェアオフィス「IsaI AkasakA」(イサイアカサカ)は1階にレストランを備え、3階まで広々とした共有スペース、4階から上は大小さまざまな家具付きシェアオフィスが202部屋ある。トレーニングジムやゴルフシミュレーター、シャワールームまでを完備した高級ホテルさながらのオフィスビルだ。
だが、イサイアカサカの関係者によると、オープンから1年以上が経過した2024年12月時点で入居率は「5割程度」にとどまるという。原因の1つとして考えられるのが高すぎる賃料だ。
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