有料会員限定

苦戦事例に学ぶ「不動産バリューアッド」の勘所 賃料やビジネスモデルを間違えば撃沈も

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

購入物件の価値と収益の向上を目指してもうまくいかないことがある。

高尾山口駅の外観
[高尾山口駅]世界的建築家・隈研吾氏が設計した新駅舎。企画はよかったが…(写真:編集部撮影)

特集「不動産&マンション新次元」の他の記事を読む

金利上昇基調を受け、不動産は事業会社が戦略的に価値を上げようとする「バリューアッド」という考え方が軸に。一方で、マンションについては「居住価値×資産性」で選別する時代に突入している。本特集では、2025年の年頭に押さえておきたい、最新のオフィス、ホテル、物流施設、データセンター、そしてマンションの最新事情を紹介する。

バリューアッドはいつも成功するとは限らない。改装・リノベーションを施して賃料を上げたとしても、入居希望者がいなければ投資回収は難しい。

賃料が高く、巨大すぎて埋まらない

東京都港区。赤坂駅近辺の好立地に23階建てのビルがある。2019年に竣工した当初はホテルとして稼働していたが、翌年から新型コロナウイルスが流行し、前運営者はあえなく撤退。そこへ、シェアオフィスビルへの転換を試みたのが不動産アセットマネジメント大手のケネディクスだった。ファンドを組成して投資家を招聘しビルを取得、運用に走った。

2023年7月に開業したシェアオフィス「IsaI AkasakA」(イサイアカサカ)は1階にレストランを備え、3階まで広々とした共有スペース、4階から上は大小さまざまな家具付きシェアオフィスが202部屋ある。トレーニングジムやゴルフシミュレーター、シャワールームまでを完備した高級ホテルさながらのオフィスビルだ。

だが、イサイアカサカの関係者によると、オープンから1年以上が経過した2024年12月時点で入居率は「5割程度」にとどまるという。原因の1つとして考えられるのが高すぎる賃料だ。

関連記事
トピックボードAD