国内初、生成AIがオフィスレイアウトを15分で提案──KDDIの無償ツールが設計業界に与える衝撃

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まず、見積もりの透明化が進む。企業側が「KDDIのAIだと1500万円だった」という基準を持つようになれば、それ以上の金額を提示する業者は、明確な付加価値を説明する必要が出てくる。

清水氏は「将来的には基本設計、実施設計につなげていけるようになると思っている。設計事務所にも提供できればいい」と語る。現在は企画段階のツールだが、いずれは設計事務所が使う本格的なCADツールへの発展も視野に入れている。レイアウトの自動生成アルゴリズムについては特許出願中だという。

将来プラン
将来的には設計作業に活用できる精度まで高める方針だ(筆者撮影)

一方で、設計事務所にとってはチャンスでもある。企画段階の作業が15分で終われば、デザインの本質的な部分に注力できる。顧客への提案スピードも上がる。KDDIと競合するのではなく、ツールを活用して業務効率を上げる選択肢もあるだろう。

オフィス改装市場の構造変化

世界のスマートビル市場は年平均24.4%で成長しており、日本でも16.4%の伸びを示している。2040年までに労働人口が1200万人減少する中、企業は優秀な人材確保のためにオフィス環境の改善を迫られている。

スマートビル市場
スマートビル市場は拡大傾向にある(筆者撮影)
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