それだけでなく、定期的に営業推進担当者が店舗を回って衛生状態やサービスを評価し、良い店舗は社内表彰をする制度もあるそうだ。複数の仕組みが機能することで、個人の裁量を活かしながらも、チェーンとして一定以上の清潔さとサービス品質が保たれているのである。

「罪悪感がない」白菜ラーメンの差別化戦略
女性客が多い理由は、ラーメンそのものの特性にもある。神座のラーメンは、よく「罪悪感がない」と評されるあっさりとした味わいで、そこに160gの白菜も入っている。「野菜は神座で摂る」という客もいるほどヘルシーな一杯なのだ。
加えて、女性スタッフの多さも選ばれる理由になっているそうだ。実際、筆者は取材前後に梅田の神座を複数回訪れたが、スタッフの半数はいつも女性だった。

近年、神座は「次世代の客を育てる」ために子どもへのアプローチにも注力している。そこには神座の看板メニューである「おいしいラーメン」の開発にまつわる、特別な思い入れがあるそうだ。
「実は『おいしいラーメン』の名前の由来は、社長が3歳のときに創業者が味見させてくれたときに言った、『おいしいラーメンやね』という感想だったんです。その味が受け継がれているので、お子さんや若い方に愛されて当然です。だからこそ、その客層を増やしていきたいと思っています」と大林氏は微笑んだ。

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