「2浪北大→新聞記者→作家」彼が浪人で得た学び 作家・増田俊也さん《努力は絶対に実る》受験生へのエール

✎ 1〜 ✎ 126 ✎ 127 ✎ 128 ✎ 129
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「そこからは本気になった。このままでは七帝柔道をやる前に俺は終わってしまうと思いました。それで椅子に柔道着の帯で体を縛り付けて、ベッドに3カ月入らずに毎日22時間勉強した。

当時のZ会は現在と違って秘密結社のような組織でした。全国の進学校だけにパンフレットが送られてきて、東大と京大をターゲットにして難解な問題が作られていた。通信添削は、10日に1回、その問題が送られてきて、それを解答して送り返す仕組みでした。

英語と国語で毎回解答を続けたのですが、難解だったので、いつも参考書も辞書もすべて調べ尽くして、自分ができる最高の答案を書いて送っていました。それが高校3年間と1浪の合計4年間も勉強をさぼった僕には血反吐を吐くほど苦しかったですね。

『英文解釈教室』は宅浪だから内容を聞ける人もいなくて、『自分で理解するしかない』と思いながら死に物狂いで七転八倒してやっていました。24時間、ずっと椅子に座っていましたね。22時間勉強して、2時間机で寝ていたので、腰や背中や首をひどく痛めて、さらに若いのに痔になってしまいました。

当時はなんとしても夏までに英語を仕上げないといけないと思って、『英単語連想記憶術』と『試験にでる英単語』、そしてZ会の問題に出てくる単語で単語帳を作って語彙も一気に増やしながら、必死に3カ月間勉強しました。そうしたら、模試でもA判定が出て、夏を過ぎたら東大の問題でも京大の問題でもどんな英文でも速読即解で読めるようになっていました」

受験生活を支えた参考書

増田さんは、この『英文解釈教室』と『増進会旬報』が、自身の受験生活を表すものだと振り返ります。

「『英文解釈教室』は非常に難解な参考書です。どれくらい難解かというのに面白いエピソードが最近ありました。

僕の高校同期の開業医の息子さんが現役で東大理3に首席合格しましたが、その受験の数年前にその友人に『理3目指してるってことは、やっぱり英語の参考書は『英文解釈教室』やらせてるの?』って聞いたら『いや。あれは難しすぎる。いまはあれの優しい版も出ていて、そっちをやらせてる』って言ってた。

つまり東大理3に首席合格する学力を付けるのに『英文解釈教室』は必要ないってことですよ。それくらい難解な本だからこそ、とにもかくにも独学で必死に咀嚼して、トラクターで土を無理やり掘り返すようにやりきったことが大きな自信になった。それにプラスしてZ会旬報で繰り返し難解な英語評論を速読訓練しました」

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事