9年浪人し早稲田に合格した彼が得た自己肯定感 沢山の苦労があったからこそ前向きになれた

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早稲田大学卒業式の際の濱井さん(写真:筆者提供)
浪人という選択を取る人が20年前と比べて2分の1になっている現在。「浪人してでも、志望する大学に行きたい」という人が減っている一方で、浪人生活を経験したことで、人生が変わった人もいます。自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した濱井正吾さんが、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったこと・頑張れた理由などを追求していきます。初回の今回は、濱井さん自身の経験を紹介します。

私は9浪の末、早稲田大学教育学部に合格しました。紆余曲折を経て、やっと合格したのは27歳のとき。大学1年生のときには9歳下の学生たちとキャンパスライフを送ることになりました。

みなさんは、この経歴を聞いてどう思いますか? おそらくは、「そこまでして早稲田大学に行く意味はあるのか?」とか、「そんなに苦労してまで、大学受験をするなんてかわいそう」と思う人がほとんどなのではないでしょうか。

私自身は、むしろ9浪をしてよかったと思っています。なぜなら、何浪してでも自分の望んだ大学に行くことに大きなメリットがあると確信していたからです。なぜ、そんな風に考えられるのか? これは私の経歴が関係しています。

「大学に行く人間は親不孝者」

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私の育った環境は、中学校や高校・親や親戚を含めて、周囲の人が大学に行くことを是とするような空間ではありませんでした。勉強をすることがからかいの対象になることもあり、学費がかかるため「大学に行く人間は親不孝者だ」とまで言われました。

それでも、偏差値40の高校でいじめられていた私は、「今のままだとずっと自分の人生は地元でいつ会うかわからない、いじめっ子にビクビクしながら過ごさないといけなくなる」と思い、都会の大学に行って人生をリスタートしたいと思っていました。そのため、高校を出て偏差値40の大学に進んだのですが、そこでもバカにされたことで自分の周囲の環境に嫌気がさすようになったのです。

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