都内にある中堅の私立男子校に通う、中学2年生の中村伸也君(14歳、仮名)。学ランに身を包み、日々学校に通う彼の表情は明るい。休日に自宅マンションに遊びに来る親しい友人もでき、学校生活を謳歌している。母親の順子さん(40代、仮名)は、自宅に来た息子の友人たちと一緒に語り合う日もあるという。
絵に描いたような幸せな母子の風景だが、小学校の頃はまさかそんな日々が来るとは想像もできなかったと順子さんは言う。
小学校3年以降、順子さん家族が体験していたのは「中学受験戦争」。それも真っ暗闇に近い――。
まさか息子が中学受験を希望しているとは
中学受験スタートの号砲は、ある日突然に鳴った。
伸也君が小3の年末、塾からかかってきた1本の電話。「息子さん、中学受験を希望されています」。母親の順子さんには寝耳に水だった。息子からは一言も聞いたことがない。「息子さんの意思ですし、一度、お話に来ませんか?」と言う塾に押し切られるように、愛息の受験勉強生活はスタートした。


















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