9浪して入った早稲田大学は素晴らしい環境で、余裕があり、思慮深く、目標に向けて努力する学生に囲まれて過ごす日々を送りました。家族に大卒者がいない家庭で生まれ育った私がこの環境に来れることなど、ありえません。自分は幸せ者だと、毎日喜びを噛みしめました。
それよりもっと嬉しかったのが、私がこの環境にいてもおかしくない人間だと実感できたことです。以前はできなかった学問の話ができる。知恵を、思考を深めることができる。自分がそれをできるようになったことが今でも信じられませんが、それは確かな勉強量に裏付けされ、身についた教養のおかげだと思います。
私はこの9年間を通して、自分自身に絶対的な自信を持つことができるようになりました。失敗してもそれを引きずる時間が少なく「自分なら大丈夫だ」と思えるようになりました。
それは、何度も苦難にぶつかり、その都度立ち向かい、最終的に乗り越えた経験が大きいと思います。
「無為に年齢を重ねる」とか「就職が厳しくなる」とか「周囲に白い目で見られる」とか、浪人には大きなマイナスのイメージがつきまといます。しかし、私はそれらのマイナスよりももっともっと大きなプラスである、世間の目を気にせず、自分の意志で生きる能力……自己肯定感が、浪人によって身についたのです。
浪人があったからこそ前向きになれた
浪人があったからこそ、私は人生が前向きになって毎日楽しく生きられるようになりました。それは、失われた歳月やいい就職先と天秤にかけても、何倍も尊いものだと私は確信しています。
今苦境に陥っている人には、悩み苦しむことや後悔することは、将来同じような場面に直面したときに引き出しが多くなるということ、精神的にも楽になる、ということをお伝えしたいです。
今、私はYouTubeやメディアなどで発信活動をさせていただいております。今年4月には自分の経験を書籍にまとめさせていただきました。『浪人回避大全』という身も蓋もないタイトルなのですが、これを読んだ方からいろんな温かいコメントを頂いています。
私に憧れて早稲田を受験して受かったとか、濱井さんの存在が励みになったとか、そうした言葉を毎日たくさん頂ける今、私は確かに自分の存在意義を実感できるようになりました。
今までの私は人を見返すために生きてきましたが、これからの私は大勢の方に感謝し、沢山の人に勇気を与えるために生きていこうと思います。
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