「教育困難大学」で大暴れする不良学生の実態

学ぶスキルも意欲もないのに入学できる現実

「教員に注意されたらキレてよい」という価値観を持っている生徒が、そのまま大学に進学した場合に起こりうることとは?(写真:Graphs / PIXTA)

「教育困難校」の教員にとっては既視感のある場面

10月上旬、高校生が授業中に若い男性教員に暴力を振るう画像がインターネットに流れ、その後に高校生が逮捕されたというニュースがあった。事件の発端は、教師が生徒に対してその授業では使ってはいけないIT機器を使うのを注意したことだそうだ。

今回の映像は一般的には確かに衝撃的だっただろう。しかし、生徒が荒れた中学校に勤務する教員や、「教育困難校」の教員にとっては既視感のある場面だったと思う。似たような場面に日常的に遭遇し、専守防衛に努めている中学・高校教員は全国に大勢存在する。

だが、教員に対してあのような態度を取ってきた生徒たちが大学、特に「教育困難大学」に入学していることを、当事者である大学関係者もあまり気にしていない。彼らは「自身の学びを助けてくれる人」として教員に一目置く、ということはない。逆に力関係として下に見てさえいる。そうした生徒たちが、高等教育の場に入ってくるのである。

いわゆる進学校でない高校からの大学進学者は、推薦入試やAO入試を利用して進学する者が多いことは、これまでにも何度も述べてきた。大学を志望する生徒たちの多くは、少なくとも3年生の1学期頃からは、教師の指導に従って準備を行う。一般的には10月上旬あたりからAO入試が、11月上旬からは推薦入試が始まり、パラパラと合格が決まっていく。

すると、その頃まで自分の進路をまったく気にしていないように見えた生徒たちが、突然、担任や進路指導教員に「せんせー、俺、大学に行こっかな。親も行けっていうし」などと口にするようになる。このような生徒はおおむねこれまで教員をバカにした態度を取り続け、勉強や部活動にも熱心でなく、努力や我慢が苦手なタイプの生徒たちである。

次ページただただ「楽な大学」を選びたい?
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ブックス・レビュー
  • 就職四季報プラスワン
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激突! アサヒvs.キリン<br>「正反対」のビール戦略

2020年に豪州最大のビール会社を買収するアサヒグループHD。国内縮小を見越し「スーパードライ」集中でグローバル化を強化する。一方、キリンHDは化粧品・健康食品のファンケル買収などで多角化を推進。正反対の戦略の成否は? 両社トップに聞く。