9年浪人し早稲田に合格した彼が得た自己肯定感 沢山の苦労があったからこそ前向きになれた

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

当時の私は、昼に配置薬の営業をして、夜に予備校で3~4時間勉強する日々を送っていました。売り上げを上げなければ、受験費用も稼げないという重圧と闘いながら、親子以上に年齢の離れた社員やお客さんに気を遣い続けて、精神的な疲労が重なる日々でした。それに加えて、1日に150キロほどの運転をした後に予備校に通うわけですから、眼精疲労もピーク。毎日フラフラで、精魂尽き果てそうな状態で授業を聞いていました。

その後、受験費用の300万円を貯めて、ようやく会社を辞めることを決意。受験勉強に専念できることになったときは涙が出るほど嬉しくて、毎日勉強に専念できるありがたみを感じながら、1日13時間の勉強をこなしたのを覚えています。

当然のように勉強ができる環境って、当たり前じゃないんですよね。

8浪目は成績が伸びなかった

しかし、会社を辞めてフルで勉強ができるようになった8浪目は予想より成績が伸びなかったのです。

これまで毎年勉強を重ね、周辺環境も整備していく中で、着実に私の学力は上がっていきました。1浪目にBe動詞や総理大臣の名前すらわからず、センター試験の問題を見てもすべての教科で適当にマークするしかできなかった私は、6浪目のセンター試験で得点率39%、7浪目で49%と着実に成績を伸ばしました。

ところが8浪目は予想より成績が伸びなかったのです。得点率は58%。仕事をしていた6浪目→7浪目よりも低い水準の伸び率で、出願した6大学11学部も全落ちに終わってしまいました。

この結果は私にとって屈辱的なものでした。

予備校の講師やチューターにも心無い言葉を投げかけられます。
「真面目にやれ」「お前は勉強の才能がない」「お前がやっていることは親不孝だと気づけ」

自分は自分なりに一生懸命やった。1日13時間勉強した。それなのに、努力をしてない、才能がないと決めつけられることはとても悔しく、傷つくものでした。家への帰路で涙が止まらず、咽び泣きながら帰ったことを昨日のように覚えています。

それでも、私の心が折れることはありませんでした。

「自分は勉強の才能がないんじゃない。
 適切な環境で、適切な時間、勉強をする機会を与えてもらえなかっただけなんだ」

と、自分の可能性を信じていたからです。

非難を投げかける人々の存在も、「見返してやる!」という反骨心を増幅させ、エネルギーに転換しました。

次ページ26歳で大きな決断
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事