「妖怪になりたい」
今回お話を伺った加藤志異さんは、小さい頃に抱いたこの夢を、大人になってからも持ち続け、現在は妖怪絵本作家として活動しています。さらに加藤さんは『加藤くんからのメッセージ』(監督 綿毛、配給 東風)という、全国で公開された映画にも主演して、『漂流ネットカフェ』、『惡の華』などで知られる漫画家の押見修造さんは、彼のために漫画を描いてくれました。
【2023年12月24日13時追記】初出時、映画製作の箇所に関して事実と異なる部分がありましたので、上記のように修正しました。
加藤さんは、浪人という大きな試練が、現在の夢や仕事につながっているのだと言います。
5年の浪人生活が、彼の人生にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。「妖怪絵本作家」の人生に迫っていきます。
山奥で育ち、妖怪になろうと思った少年時代
加藤さんは、岐阜県恵那郡岩村町(現:恵那市)に中卒の父親と高卒の母親のもとに生まれました。
「まるで日本昔ばなしに出てくるような山奥でした。いちばん近い店に行くまで歩いて30分くらいかかりました」
山の中で生まれ育った加藤さん。彼が「妖怪」になろうと思ったきっかけは、そうした環境の中で幼少期を過ごしたこともありますが、子どものときに本屋で購入した妖怪の百科事典の影響が大きかったようです。
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