「周囲がみんな受験するというので、自分もようやくする気になったんです。それで大学受験生向けの雑誌『螢雪時代』を手に取ったのですが、知らない学部の情報を見るのにはまってしまいました。
毎日勉強に本腰を入れられないまま受験情報を2~3時間くらい見ていたんですが、その過程で早稲田がいちばん面白そうだと思い、志望校にしました。5浪してまで入ってる人がいるこの環境なら、きっと面白い人に大勢会えると思って、『自分には早稲田しかいない!』と思い込むようになったんですね」
しかし肝心の模試の成績はボロボロで、早稲田の合格判定はつねにEでした。
センター試験(現:共通テスト)も、国語は8割、世界史は9割以上を取れたものの、英語が50/200点とボロボロで、現役時の早稲田受験は第一文学部・第二文学部・社会科学部を受験したものの、全滅で終わります。
早稲田大学に恋をして浪人決意
併願した高崎経済大学には合格したそうですが、彼は入学を辞退して浪人を決断します。その理由を聞くと「早稲田に恋していたから」と答えてくれました。
「有意義な出会いにも期待していましたが、大隈重信像から見えるキャンパスの景色が素晴らしくて、ここを毎日歩きたいと思っていました。僕の人生は早稲田からしか始まらないと、完全に思い込んでいました」
そうして決心した1浪目は、予備校に通わずに自宅での勉強を選択しました。
「受験情報を得ることにはまり、高校時代に集めた参考書が100冊ぐらいありました。そういう本には『予備校に行かなくても、東大や早稲田に受かる』と書いてあるので、『そういうものか!』と信用してしまいました。でも結局、家にこもっていると社会から切り離されてしまいます。それで病んでしまい、勉強に集中できませんでした」
勉強はしていたそうですが、1日中ラジオを聴きながらダラダラやっていたそうです。「英語をどうしてもやる気になれず、世界史や国語ばかりしていました」と反省する彼のこの年の模試の成績は、むしろ下がってしまいました。
結局、この年も早稲田を3学部のみ受けて、全部落ちてしまい、2浪を決断します。
「受験したことだけは覚えていますが、受かるわけがないと半分諦めていました」
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