
ささちかさんが一橋にこだわった理由とは(写真:mits / PIXTA)
浪人という選択を取る人が20年前と比べて2分の1になっている現在。「浪人してでも、志望する大学に行きたい」という人が減っている一方で、浪人生活を経験したことで、人生が変わった人もいます。自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した濱井正吾さんが、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったこと・頑張れた理由などを追求していきます。今回は、1浪で岩手大学に進学するも、父親と予備校の担任を見返すために一橋大学の合格に人生を捧げ、学校の非常勤講師をしながら7浪で合格したささちかさんにお話を伺いました。
みなさんは、大学の勉強が役に立たないと思ったことはありませんか。
「学生の学力は大学受験がピーク」と言われることもあるように、大学に入ってからはむしろ学力が衰退するイメージがあるかもしれません。
しかし、今回インタビューしたささちかさんは、1浪で進学した岩手大学の授業を受け続けて、その後の受験に通ずる確かな学力を身につけた後、7浪で一橋大学に合格しました。
すべては一橋に合格するため猛勉強

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岩手大学在学の際に取得した単位は245。これは一般的な大学の卒業要件単位が120程度であることを考えると、普通の学生の倍の勉強をしたことになります。これも、すべては一橋大学に合格するためでした。
何が彼を駆り立てたのか。なぜ、大学を一度卒業してまで一橋大学にこだわったのでしょうか。
1976年に中国地方に生まれたささちかさんは、生後1年半で岩手県に引っ越しました。岩手県での生活は、苦労が絶えなかったそうです。
「小学校から中学校にかけて、言葉遣いが普通の子と違うので”変わった子”として扱われました。だから、よくいじめのターゲットになりました」
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