「7浪で一橋に合格」父と先生が放った強烈な一言 一橋にこだわった理由、猛勉強した彼のその後

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「変わった子がいじめられる」環境を脱するため、ささちかさんは「学力水準が高いところに行けば、道徳的にまともな人がいる可能性が高いのではないか」と考え、猛勉強の末、岩手県内屈指の進学校に進みました。

実際、その考えは正しく、いじめられることは少なくなったと言います。

ただし、高校では定期試験で学年360番中200~300番がやっとだったというように、授業についていくのが非常に大変だったそうです。それでも、高校3年生のときには志望校を一橋大学に設定し、そのために毎日頑張って勉強をしていました。

「当時の私は知的好奇心が旺盛で、社会科学系のことが総合的に学べる経済学部にとても興味がありました。また、文系でも数学が好きだった私は、一橋ならば文系学部で中高の数学科の教員免許が取れるということに、妙な興味を抱いたのです」

文系最難関の1つでもある、一橋大学。そこで勉強する日々を夢みて、ささちかさんは受験勉強を続けました。しかし、模試の判定はつねに最下位(E判定)だったそうで、一橋には残念ながら現役での受験は落ちてしまいます。

「現役のセンター試験では800点満点で500点前半でした。前期試験で岩手大学を出願したのですが合格に至らず、行く大学がなかったので浪人を決断しました」

こうしてささちかさんは1浪を決意し、当時岩手県内に唯一存在した予備校に、実家から通う生活を送るようになりました。

父からの残酷な一言

現役のときに成績を伸ばせなくて落ちてしまった理由を、彼は「学校を信用しすぎていた」と分析します。

「当時、学校で先生から課された膨大な量の課題を周囲が必死にこなしていたので、自分もそれをやれば大丈夫だと盲信していたのです」

受動的な勉強をやめ、主体的に勉強をするという意識はこの失敗で生まれたと言います。

実際、ささちかさんは1浪の1年間、毎日規則正しく授業に出て1日10時間勉強の生活を続けていました。

「高校のときの土台がここでようやく開花した」と語るように、夏の模試で英語と数学の偏差値が70を超え、初めて後ろから2番目の判定(D判定)をとれたと言います。

ついに憧れの一橋大学が見えてきたと、そう思ったところで父親から残酷な言葉をかけられました。

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