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中国制裁「克服」の米ドローン大手スカイディオ エヌビディアのチップ積みAI自律飛行、KDDIと連携し狙う高市・防衛市場

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アメリカのドローン大手Skydio(スカイディオ)のバイスプレジデントでアジア太平洋・日本担当のジョン・ビヴィアーノ氏(撮影:梅谷秀司)

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世界のドローン市場では中国のDJIが圧倒的な支配力を誇る。しかし経済安全保障上の懸念から、欧米を中心に「脱中国製」の機運が高まっている。その流れに乗って成長するのが、アメリカ最大手のスカイディオ(Skydio)だ。
同社は米エヌビディア(NVIDIA)のAIプロセッサー「Jetson Orin」を機体に搭載し、高度な自律飛行を実現。米軍をはじめ世界各国の政府機関に採用されている。ドローンを「特定重要物資」に指定し、供給網を含めた国産化と安全保障の強化を急ぐ高市早苗政権下の日本でも存在感を増しつつある。
2024年に中国政府の直接制裁を受けながらも克服した舞台裏や、日本市場での勝算について、同社バイスプレジデントでアジア太平洋・日本担当のジョン・ビヴィアーノ氏に聞いた。

――Skydioはどのような会社ですか。

中国以外のドローンメーカーとして世界最大手だ。本社、設計拠点、製造拠点はいずれもアメリカにある。市場で大きな存在感を持つ中国メーカーと競う欧米勢を主導する立場にある。

事故や災害の現場で活用する「Drone as First Responder」(DFR、第一対応者としてのドローン)というコンセプトを掲げ、防衛、公安、産業の各分野で存在感を発揮している。

AI技術で電線も木も自律的に回避

主力製品の「X10」は非常に高性能だ。機体には上下6基のカメラを備え、可視光のほか熱を感知するサーマルなど最大5種類のセンサーを搭載できる。夜間でも、隠れた人の姿を捉えたり、爆発の状況を確認したりすることが可能だ。

AIによる自動衝突回避機能も標準搭載している。コントローラーによる操作だけでなく、ブラウザーを用いた遠隔地からの操作も可能だ。進行方向に送電線や樹木などの障害物があると検知すれば、自律的に回避する。何らかの理由で機体が停止した場合に備えてオプションのパラシュートもある。こうした性能によって競合との差別化ができており、われわれが目指す「インフラとしてのドローン」を実現できる機種だ。

Skydioの「X10」の機体とコントローラー(撮影:梅谷秀司)

――便利な未来が想像できます。

未来ではなく、すでに実現されている。

機体だけでなく、ドローンを格納するドックも重要な要素だ。ドローンはドックから飛び立ち、自律飛行や遠隔操作による任務を行い、自律的にドックへ戻って充電する。

現在、世界中で1日に2000回以上Skydioのドローンが飛行しており、前年比で278%増となっている。累計提供台数は6万台を超え、総飛行回数は300万回以上だ。顧客数は世界で3800に及ぶ。

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