「ブルーヨンダーの事業環境や事業リスクに変化はないか」──。
今年2月の決算説明会でアナリストから出たこの質問に、パナソニック ホールディングス(HD)の和仁古明CFOは「この状況は脅威ではなく大きなチャンスだ」と自信ありげに回答した。
ブルーヨンダーはパナソニックが2021年に総額約8600億円で買収したアメリカのIT企業。生産や物流などサプライチェーンに関わるソフトウェアを欧米の3000社以上に提供している。
巨額買収には「高値づかみだ」との批判はあったが、パナソニックが取り組むビジネスのサービス化、リカーリング(定期収入型)化の牽引役と期待されていた。
戦略の大幅な軌道修正
しかし、ブルーヨンダーをグループ全体の成長柱とするパナソニックの戦略は、結果として大幅な軌道修正が必要だった。
買収時点では計画系機能がSaaS(ソフトウェアをネット経由で提供するサービス)に対応しておらず、サプライチェーン全体を一元的に効率化するために必要な要素も不足していた。
そのため、パナソニックはブルーヨンダーに1000億円超の資金を投じ、同業の買収や追加開発を行ってきた。注文管理や顧客企業同士をつなぐ共通ネットワークは追加買収で手に入れたものだ。
だが、そんな努力に水を差すような出来事が起きる。24年11月にはランサムウェアによる被害を受けた。一部のサービスが停止し、主力市場の欧米で複数顧客が事業停止に追い込まれた。























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