水はあらゆるものを打ち砕く
柔よく剛を制す。柔道の基本理念としても有名なこの言葉の原典は老子にあります。老子は次のように述べています。
老子にとって、柔弱さのイメージは「水」であり、水はあらゆるものを打ち砕く強さがあります。
老子に強い影響を受けた韓非子は、「水は方円の器にしたがう」と表現しています。水は器の形に応じて自らの形を変化させ、器が四角(方)であれば四角の形になり、それが円ならば円の形になります。しかし、水自体の固有の形というものはありません。それはあくまでも、対象に応じてその都度形を変えるだけです。
この柔弱の「柔」は「柔軟さ」を示し、「弱」は柔軟であるが故に「変幻自在」であることを意味します。弱とは特定の形、立場に執着しないということであり、逆にそれを守り切ることができるのは強となります。柔弱であるが故に、最終的に勝つことができるのです。老子は次のように続けています。



















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