部下の「五月病」を生む上司、モチベーションを高める上司の1on1!会社の成果は「オトナの精度」と「コドモの熱量」の掛け算で決まる!

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「五月病」に対して、リーダーにできることは何でしょうか(写真:Luce/PIXTA)

「子どもは大人の父である」

これは、イギリスの詩人ワーズワースの詩の一節です。

チャレンジ精神は“コドモ”的な心から生まれる

ある経営者にこの言葉を紹介すると、

「面白い言い方ですね」

「でも、うちの社員は大人になりきれていない感じもするんですが……」

私は答えました。

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「それは、むしろ良いことかもしれません」

人間の中には、大人の部分と子どもの部分があります。大人は責任を負い、判断を下し、秩序を守ります。一方で子どもは、夢を見て、問いを立て、無邪気に世界に飛び込んでいきます。

どちらも大切ですが、しばしば「大人」だけが評価され、「子ども」が抑え込まれてしまうのが現実です。とくに職場では、「子ども」を持ち出すことは幼稚と見なされがちです。

しかし、よく考えてみてください。創造性、好奇心、チャレンジ精神、遊び心……、これらはすべて、“コドモ”的な心から生まれるものです。

スティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業式でのスピーチの締めくくりに、「Stay hungry, stay foolish.」と語りました。まさに“コドモ”を抱き続けよというメッセージだったのです。

ただし、創造の源泉である“コドモ”には、取扱説明書が必要です。その説明書にあたるのが“オトナ”です。成熟した“オトナ”こそが、自分の中の“コドモ”を丁寧に扱うことができます。もし“オトナ”がなく、ただ“コドモ”だけであれば、それは自律を欠いた、わがままな「子ども」に過ぎません。

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