「嫌われる力」がある人に備わった意外な能力 優秀なのに「嫌われること」を恐れるのは損
変化の激しい時代において、ビジネスシーンでは、多様な人材をまとめあげてプロジェクトを成功に導く「新しいリーダー像」が求められています。そこで問題になるのは「慕われるリーダー」と「恐れられるリーダー」のどちらがいいリーダーなのか、ということ。
ボストン・コンサルティンググループなどでコンサルタントとしてあまたのプロジェクトに携わってきた著作家、山口周氏の新著『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』より、リーダーになるのに必要な要素について紹介します。
「マキャベリズム」は誤っていた?
なんらかのプロジェクトを引っ張るリーダーの立場になったとき、つねにつきまとうのが「慕われるリーダー」になるべきか、「恐れられるリーダー」になるべきかという論点です。
このトレードオフはさまざまな言い回しで言及されます。リーダーシップには「情」と「理」が必要、という主張も同様のトレードオフを前提にした主張でしょうし、日本のリーダーシップ論の開祖と言ってもいい三隅二不二先生は「組織メンテナンス重視」のリーダーと、「パフォーマンス重視」のリーダーという枠組みで整理しています。
「慕われるリーダー」と「恐れられるリーダー」のどちらが「いいリーダー」なのか。両者を比較して「恐れられるリーダーになるべき」と主張したのはルネサンス期の政治哲学者ニッコロ・マキャベリでした。マキャベリは、当時のイタリアの政治家や軍人が、キリスト教が唱える道徳と外交・行政・軍事における判断を混同しているから弱いのだと指摘しました。
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