プロ野球は「国民的娯楽の王様」というフェイク 実は、日本のベースボールは衰退の危機に突入

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亜熱帯の「亜」が取れてしまった灼熱の極東の島国で、日本で2番目の発行部数を誇る全国紙が、郷土の誇りなど希薄になった、身体を削って行われる酷暑の全国大会を今もなお延々と続けています。未来を考える球児はもう最初から海外でのプレーを考え始めています。

悪意のないプチ・フェイク

もし、ベースボールを主導する人たちが、自チームの利益にとどまらないスポーツ全体の未来への視点をもつなら、自らの歴史的役割(ベースボールの魅力を全国規模に広げたこと)の転換点を自覚し、加速化する裾野の枯野化を防ぐ、真の意味でスポーツが地域に根ざすものとして文化になる、21世紀コンテンツをつくり上げるべきだと思います。まだお客さんがたくさん来てくれる今がチャンスです。

トップ800人のリクルート・システムを整備しつつ、いつの日か「今日は比較的お客さんが入りましたね。9000人です」などとアナウンスされる日が来てしまうのでしょうか? 長い年月に引きずられた「野球こそ国民的娯楽の王様」という「悪意のないプチ・フェイク」に気づき、ベースボールを残してくれた先人たちの尽力に恩返しをしたいという気持ちです。

岡田 憲治 政治学者/専修大学法学部教授

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おかだ けんじ / Kenji Okada

政治学者、専修大学法学部教授。1962年東京生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了(政治学博士)。専攻は現代デモクラシー論。本業・副業・地域支援・NPO運営・家事・育児の最中、とてつもないことが淡々と毎日起こっている21世紀を「一身にして二生を経る」心持ちで生きのびる。愛称オカケン。広島カープをこよなく愛する2児の父。著書に『教室を生きのびる政治学』(晶文社)、『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)、『なぜリベラルは敗け続けるのか』(集英社インターナショナル)、『言葉が足りないとサルになる』(亜紀書房)、共著に『転換期を生きるきみたちへ』(内田樹編、晶文社)など多数。

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