プロ野球は「国民的娯楽の王様」というフェイク 実は、日本のベースボールは衰退の危機に突入

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サッカーは1993年のプロ化以降、紆余曲折はありましたが、確実に地域社会に根をはり、10チームから始まったJリーグのチーム数は、今日下位リーグを含めて60になりました。

成功の理由は、全国統一の指導のコーチング・ライセンス制度が確立していること、リーグに加盟するために必ず「地域スポーツ振興活動」と「ユース育成システム」をもつなど、厳しい運営基準が義務づけられたことなどです。今や、小・中学校レベルから「経験したことのあるスポーツ」として、ベースボールを凌駕しています。

スーパーエリートの集団「プロ野球」

とは言え、のべ数でも国民の4人に1人をスタジアムに呼び込むプロ野球の華やかさは失われていません。緑の芝生でプレーする選手たちは文字通り「超人」です。

そして、それをつくり出すノウハウも確立しています。小中学生レベルからリトル、シニア、ボーイズなどの各種リーグがあり(いずれも硬式ボール)、激しい競争を勝ち抜いた天才少年たちが最も甲子園大会に出場しやすい環境を基準に、郷土の代表という建前とは無関係に地方に散り、春と夏の約2週間に大メディアの関心を受けるために全国大会への出場を目指します。

卒業後は大学や企業、そしてスーパーエリートがわずか百数十人だけプロ野球に入団できます。このエリート調達システムは、相当完成されたものであり、それゆえ日本のベースボールの水準は世界に引けを取りません。

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