超人たちを800人集めるシステムが継続しても、数十年後にスタジアムに足を運ぶ人たちが今と同じ数だけ確保できる見通しはありません。裾野が枯野になっているからです。
そして、そのことに気がついて、危機感をもっているプロチームも出てきました。チームは年間に143試合でも、「子供野球教室」を県内で数百回やっているチームもありますし、親に連れてきてもらったスタジアムで、ホームチームのユニフォームをプレゼントしたり、各種イベントで現役スタープレーヤーが直接ファンに触れ合ったりする回数も増えつつあります。
興行にとどまる限り「流行り廃り」に左右
そしてそのとき、本腰を入れている球団が常に意識しているのが、球団が「地域とともにある」というコンセプトです。
これはプロ野球関係者がようやくサッカーやバスケットボールの成功を理解して、「リーグ全体の利益のためにこそ地域ごとにファンを大切にする」努力をしているということです。その意味でも、あらゆるスポーツにおいて、競技の水準が急激に上がるミドルティーンくらいの子どもたちにとっても、この「地域密着」運営は非常に重要です。
スポーツが娯楽としての「興行」にとどまっているとき、それは文化となり得ません。なぜならば興行として飽きられて見限られたら、その競技そのものが終わってしまう可能性が高いからです。
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