箕輪:僕もすごいそうなりたいと思ってましたよ、貧乏時代は。あのころに戻りたいとは思わないけど、じゃあ、やりたいことしかスケジュールにないのが幸せかっていうと、そうでもないという、これは人類永遠の悩みです。
けんすう:じゃあ、人類は幸せになれないってことなのか……。やっぱり、ある程度の目標に向かって、充実感も楽しいこともあれば、つらいことも苦しいこともあるっていう状態じゃないと幸せを感じないんですかね。
箕輪:そうですね。あと、意外と毎日のルーティンも大事だと思いますね。といっても僕はないんだけど(笑)、たとえば「朝10分だけでも筋トレをする」とか「30分だけでも原稿を書く」とかあるだけで、そこからの解放で幸せを感じやすくなるんじゃないですか。
お金がたくさんあっても幸せになれない?
箕輪:けんすうさんは、淡々と日々を送っている印象がありますけど、どうですか?
けんすう:抑圧と解放でいったら、抑圧を感じ続けていますね(笑)。前の会社を辞めて起業したときも、まとめて休みを取るわけでもなく、土日を挟んだだけだったし。
箕輪:やば!
けんすう:たぶん箕輪さんと同じで、毎日ダラダラしたら不幸せになるっていうのがわかってて、それが怖かったんでしょうね。好きなことだけやったら、すごい不幸になるんだろうなっていう感覚がある。お金だって、たくさん入ってくるようになった瞬間に感じたのは、「別にこれで幸せになれるわけじゃないな」だったし。お金がたくさんあると、たとえば吉野家の牛丼と3万円の寿司が並列になるんですよね。
箕輪:わかる。ただの数字になるんですよね。