「生活のために働く意識」が貧しさにつながる理由 「やりたいことを追求する」とお金もついてくる
本質的な幸せは、お金では得られない
戦後、内田百閒は、お金のないときにお酒を飲む際、ご飯粒をつま楊枝に刺して七輪で炙あぶり、それを醤油につけてつまみにしたのです。そして、それが最上の幸せだといったそうです。
確かに、高級料亭で美味しいお酒を飲むよりも、安酒で、ご飯粒を醤油につけてというのは、究極の自由という意味でいえば贅沢な気がします。また、今でこそ何億円もするような千利休の茶道具がありますが、それらはもともとは利休自身が竹藪に入って竹を切って作った花入や茶杓であって、原価はタダ同然だったはずです。
それを考えれば、すごく安いものと高いものの価値観というのはつながっていて、ある程度の経験をすることで見えてくることがあります。私は学生で飛行機のエコノミークラスにしか乗っていないときは、「ビジネスクラスやファーストクラスに乗ると、どんなすごい世界が待っているんだろう」と思っていました。
それこそ優雅にシャンパンを飲みながらキャビアを食べたりするとどんな気分なんだろう、と。そのうち社会人になって、仕事などでビジネスクラスやファーストクラスに乗せてもらえるようになったときに、「ちょっと狭くて寝にくいけど、エコノミークラスでも十分だな」と心境が変化していったのです。
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