「生活のために働く意識」が貧しさにつながる理由 「やりたいことを追求する」とお金もついてくる

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絵コンテを描いている時間というのは、それが楽しい、うれしいということであって、その結果として宮崎さんの場合であれば映画が成功してご自身も経済的な見返りがあると思うのですが、そこでは、お金を追うことが本筋ではないということです。また、大谷翔平選手が1本ホームランを打てばいくらの儲け、という意識で打席に立っているとは思えません。

お金自体を目的とするということは、お金を儲けるということにおいては役立つこともあるかもしれませんが、クオリティ・オブ・ライフ、あるいはどれくらい幸せかということこそが、お金と幸せのバランスを考える上での重要なポイントなのです。

「生きたお金」の使い方が幸せにつながる

人間には所有欲というものがあり、お金があれば物やサービス、あるいは時間を買ったりできる。そのためにいかにお金を稼ぐか、お金を貯めるかということを考えるものだと思います。

しかし、お金自体を目的にしてしまうと、人間の脳が本来最も喜びや幸せを感じる「生きる手段」からずれていってしまうと思います。また、不思議なことに、他の人が貧乏なのに自分だけがお金を持っている状況に対して、脳はあまり幸せを感じないようなのです。

脳科学の研究においても、自分がすでにお金をたくさん稼いでいるときに、自分がさらにお金を稼ぐのと、自分の周りの人たちがお金を稼ぐことのどちらがうれしく感じるものなのか、というテーマがあります。

普通であれば、自分がお金を稼ぐほうがうれしいはずなのですが、自分がすでに満足するほどのお金を稼いでいる場合に限っては、周りの人がお金をたくさん稼ぐことがうれしくなり、脳内のドーパミンなどの報酬系が活発化するのです。

つまり、不平等が減るほうが脳にとっては幸せであるということが研究でわかっているのです。確かに、お金をたくさん稼ぐ、お金をたくさん持っているというほうが幸せかもしれないということは誰もが思うことかもしれません。

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