お金・偏差値…「数字に振り回されてる人」の盲点 田内学×近内悠太「お金と贈与」トーク【前編】

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悩む男性
数字はあくまで「対外部」のため……数字から少しでも自由になるヒントをご紹介します(画像:taa/PIXTA)
元ゴールドマン・サックスのトレーダー、金融教育家の田内学さんと、教育者、哲学研究者の近内悠太さん。
2023年10月に田内学さんが『きみのお金は誰のため』を、2020年3月に近内悠太さんが『世界は贈与でできている』をそれぞれ刊行し、いずれも話題のベストセラーとなっている。
そんな2人のトークイベントが、昨年11月17日、東京の青山ブックセンター本店で行われた。『きみのお金は誰のため』の制作に大きく影響を与えた、近内さんの「贈与論」を交え、社会を変えるためのキーワードである「お金と愛」をテーマにした2人ならではのトークを、再編してお送りする。

「お金の教育」にいちばん大切なこと

田内学(以下、田内):今回書いた小説『きみのお金は誰のため』を作る前に、近内さんのご著書『世界は贈与でできている』に感銘を受けて、お知恵を拝借しました。

書影
『きみのお金は誰のため──ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』は、発売3カ月で15万部のベストセラーになっている。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

近内悠太(以下、近内):出版おめでとうございます。とんでもなく売れてますよね、今5万部ですか?

田内:5万部ですね。おかげさまで。(編集部注:記事公開時点では15万部)

近内:以前の著書『お金の向こうに人がいる』を、よりわかりやすく伝える目的で書かれましたか?

田内:前半はそうで、後半は仲間や愛について書いています。

去年、社会学者の宮台真司さんに言われたんですよ。若い人たちの教育のために、ネット配信の経済番組を作ってほしいって。そこで、宮台さんに「教育でいちばん大事なのは何だと思いますか?」って聞いたら「愛だよ」っておっしゃったんです。

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