「お金で人は幸せになれない」成功者の超本音 「1億円を拾うかどうか」がストレス化する日常

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けんすう:そうそう。結果、お金持ちがお金を使えなくなるっていうジレンマが生まれちゃうんですよ。ただ、やっぱり「持っていてもしょうがない」という気持ちも生まれるので、じゃあ、何に使うのっていうと、もう人のために使うくらいしか思いつかなくなる。お金持ちがなにか財団をつくって慈善事業を始めるのは、そういうことだと思います。消費ではお金というパワーが減るだけだけど、いいことに使えば「社会の富」が増えるっていう感覚になれるから、たぶん使えるんですよね。

お金以外の理由で働けることが「幸せ」

箕輪:無作為に人に配るだけじゃ、その感覚にはなれないか。たしかに、何かしらの相乗効果がないと時間もお金も使えない。まさに「人の幸せとは……?」ですね。僕のまわりを見ていても、もはやお金じゃない理由で働いている人ばかりですよ。世の中よくしたいんだな、みんな。

『物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』(幻冬舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

けんすう:そういう目的でもないと、もうがんばれない。だから、漫画とか海外ドラマでよく見る、超お金持ちの人がデスゲームを仕掛けるみたいなストーリーって、たぶん現実にはありえなくて、逆方向に行くでしょうね。めちゃくちゃ非道なことをするのではなく、めちゃくちゃいいことをしないと欲望が満たされなくなるんじゃないかな。

箕輪:それはありますね。僕は別にお金持ちじゃないけど、目標のメモには「目の前の仕事と関わった人を大切にするのが一番リターンは大きい」って書いてある。そうなっていきますよね、最終的には。

けんすう:わかります。僕も、常に目標のトップにあるのは「人に優しくする」こと。なるべくいろんな人に優しくしようと思ってますね。箕輪さんと話してみても思ったけど、結局、やらなくちゃいけないことも、さも事もなげに自分をコントロールしてやる人が成功するし、そうして富を積み上げた先に行き着くのは「人に優しく」なんだな。

(第4回終わり)

(構成:福島結実子)

けんすう 起業家、投資家

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2003年にしたらばJBBSを運営するメディアクリップ代表取締役社長、2004年にライブドアに事業譲渡。2006年にリクルートに入社し、インターネット系の新規サービスの立ち上げに関わる。2009年に株式会社nanapiを創業、2014年にKDDIグループにM&Aされる。2019年1月にマンガコミュニティサービス「アル」を運営するアル株式会社を立ち上げる。

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箕輪 厚介 編集者

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みのわ こうすけ / Kosuke Minowa

大学卒業後、双葉社に入社。「ネオヒルズ・ジャパン」を創刊し完売。『たった一人の熱狂』見城徹、『逆転の仕事論』堀江貴文などの編集を手がける。幻冬舎に入社後は新たな書籍レーベル「NewsPicks Book」を立ち上げ、編集長に就任。『多動力』堀江貴文、『日本再興戦略』落合陽一、2019年一番売れてるビジネス書『メモの魔力』前田裕二など次々とベストセラーに。自著『死ぬこと以外かすり傷』は14万部を突破。雑誌「サウナランド」は2021年のSaunner of the Yearを受賞。2022年『死なばもろとも』ガーシーを出版。2023年秋に著書『怪獣人間の手懐け方』(クロスメディア・パブリッシング)、『かすり傷も痛かった』(幻冬舎)を発売。

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