「パンの耳を食べて暮らした」齋藤孝教授が振り返る”極貧20代”。その時代を経て思う「過度に”お金の心配”をする人が失うもの」とは?

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悩み続けてきた「僕」から君たちへ 社会人1年生に伝えたい成長と成功の本質
「20代のうちは「お金がないから何もできない」とは考えず、ないならないなりに、どうにかやってみるのもいいのではないのかという気がします」と齋藤教授は話します(写真:zak/PIXTA)
ますます先行き不透明な今の時代、若い頃からお金の心配をするのは当然のこと。ただし、お金のことを過度に心配しすぎると、大事なものを失ってしまう危険性があると、齋藤孝明治大学教授は指摘します。お金がないことより、もっと恐れるべきこととはいったい何なのか?
そこで本記事では、齋藤孝先生の新刊『悩み続けてきた「僕」から君たちへ 社会人1年生に伝えたい成長と成功の本質』より一部を抜粋、再編集し、齋藤先生が貧しかった20代を振り返りつつ、「お金」が持つ本当の大切さについて、教え子である「君」への手紙で解き明かしていきます。

「お金」について

お金は大事だが、「お金がないから何もできない」は絶対に間違いだ。
恐れるべきはお金がないことではなく、お金がないという恐怖にとらわれ、勝負時に必要な勇気を振り絞れないことである──

ますます厳しくなる世の中、君が将来のことも考え、お金の心配をするのも当然のことだと思います。

それにしても僕自身、振り返ると20代は本当にお金がなかった。切り詰めて質素に生活し、それこそムダづかいなどとは無縁の暮らしをしていましたが、思い返すと、「いや、よくぞ頑張ってこられたな」というのが正直なところです。

でも、それで不幸だったのかというと、別にそんなことはなかったと思います。お金がないならないなりに、なんとかやっていけたのです。

住んでいるのは狭くて古いアパート。しかも、そこで子どもも生まれ、一家で肩を寄せ合うように暮らしましたが、人生の一幕として悪いものでもなかったかな、と。

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