ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授のリンダ・グラットン氏らが著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で提唱した「100年時代の人生戦略」は、日本でも一大ムーブメントを起こし、高校生向けに『16歳からのライフ・シフト』も刊行された。
本書によると、今の高校生の2人に1人が107歳以上まで元気に生きる長寿社会になるという。100歳まで長生きする社会を見据え、「お金」の教育はどうあるべきなのか。税理士として日本最大級のYouTubeチャンネルを運営し、小学校から大学まで、実際の学校現場で「お金の授業」をしている大河内薫氏が、人生100年時代を生き抜くために「お金」をどう考えていけばいいのかを解説する。
お金は「単なる道具」に過ぎない
日本では、お金の話になると途端に“触れてはならない”という空気が流れます。何か特別なもののように捉えているのではないでしょうか。これ、僕は本当に悪しき風習だと思っています。
そもそもお金は、「物々交換は面倒だから、何かを介して交換しよう」というのがスタートですし、単なる道具の1つに過ぎません。道具の使い方の1つが「購入する」ことであり、道具を手に入れる1つの方法が「稼ぐ」ということ。
それ以外にもいろいろあります。投資をして増やしてもいいし、ただただ寄付を受けてもいいし、それを使って家族や地域を守ってもいい。「稼いで使う」というのは、お金という道具の使用方法のごく一部でしかありません。増やす、与える、守る、納める、いろいろなことができるわけです。
そんな便利な道具なのに、多くの人は知ろうともしません。お金の話は難しいからと言って避けたり、あるいは「はしたない」などとタブー視する感覚を持っていたりします。
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