子供の前で「お金の話」をした方が断然良いワケ 「はしたない」「難しい」と思っていませんか

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今まではそれでよかったし、知らなくても生きていけました。だけどこれからは違います。企業の終身雇用はなくなり、年金も満額もらえるとは限りません。しかも人生100年。このまま終身雇用がギリギリ続いて、65歳で定年退職したとしても、残りの35年、どう考えても退職金と年金だけでは生活していけません。物価も上がる一方です。

それならば、退職までに何らかの形で資産形成をしなくてはなりません。だからこそ、お金のことをちゃんと理解して、扱えるようになる必要があるのです。

そのためにはまず、お金を特別視しないこと、単なる道具に過ぎないと認識することです。道具ですから上手に扱えたほうがいいですよね。どうしたら上手になるか。ほかの道具と同じ、たくさん触れることです。

スマホだって、触っているうちに使い方に慣れて、いろいろなアプリを知って活用するようになるでしょう。大人はもちろん、今の子供たちにもたくさんお金に触れて、扱い方を知ってほしいと思います。

お金について、まずは大人が学ぼう

僕は、学校で早いうちからお金の教育はしたほうがいいと思っています。僕たち大人の世代は、お金について学ぶ機会がありませんでした。英語や物理や化学は学ぶのに、お金の話は選択科目にすら入っていない。2022年から高校の授業で金融教育がスタートしましたが、一つの大きな前進だと思います。

ただ、金融(ファイナンス)は、お金の話のごく一部に過ぎません。そこに行き着くまでのステップが本来あるのではないかと思います。

学校でいきなり因数分解を教えないのと同じで、まずは足し算や引き算などの四則演算から始めないと基礎は身につきませんよね。はじめに投資を教えてしまったら、一発逆転を狙える、ギャンブルのようなものだと勘違いされかねません。そうではない、そもそも道具なんだということから教えないといけないと思います。

次ページ生徒たちに「お金は好きですか」と聞いてみると
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