子供の前で「お金の話」をした方が断然良いワケ 「はしたない」「難しい」と思っていませんか

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僕自身、子供たちにお金について授業をすることがあるのですが、生徒たちに「お金は好きですか」と聞くと、「大好き」と答えてくれます。子供たちにとって、お金はおもちゃと同じように興味の対象なんです。

お金については、よく「消費」「投資」「浪費」に分けてみるという教え方があるのですが、子供に教える場合、時間に置き換えます。お金だと、「消費」「投資」は親が行い、子供には「浪費」しか残りませんから。

1日24時間、これを分けてみる。大人にもおすすめです。「浪費」の時間が多いことに気づくと思います(笑)。子供たちには、あえてシビアな話もします。学校に来ている時間は「投資」か「浪費」か。「浪費」なら、お父さんお母さんが払っている学費も「浪費」だから、それは「投資」に変えないとまずいよね、といった具合です。

お金のことを子供たちに教えるといっても、何から手をつけていいかわからないという方も多いと思います。でも夫婦間では、家のローンとか、家計のやりくりについて話をするのではないでしょうか。僕は、それを子供の前でもしたらいいと思います。それだけでもう100点満点。お金を持っていてよかったこと、失敗したことも包み隠さず話す。

会社勤めなら、子供に自分の会社のビジネスモデルの話をしてもいいと思います。それこそお金のことだけでなく、経済の勉強にもなります。お金に関する話は、じつは身の回りにたくさん転がっているのです。

教育現場でも探究の時間でお金のことを取り上げてくれる先生がいたりしますが、現実には時間が限られていて、一緒にじっくり考えていくことは難しい。しかも教員という職種はその性質上、商売とは異なりますので、いきなり「お金の話をしてください」というのは酷だと思います。

とはいえ、100歳まで生きるであろう子供たちにとって、お金の話は不可欠です。ライフシフトのための重要なファクターですから。僕は受験対策よりも、100年ライフの人生対策のほうがよほど大切だと思います。親も先生も、お金について子供に教えるために、まず自分が学ぶ、むしろ一緒に学ぶ。このスタンスが必要ではないでしょうか。

目前にある大量介護難民時代

日本の場合、会社員になれば毎月給与をもらい、税金は天引きですから、お金に関するリテラシーは一向に上がりません。国民が税金について知識も関心もなければ、国は統治しやすい。しかし僕たちは本当にそれでよいのでしょうか。

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