セカンドオピニオンを求めるのは、特にがんや進行性の難病など、治療が高度で、長期化する病気ではよく見られることです。患者さんが適切な医療を受けられるように認められている権利ですので、うまく活用してほしいと思います。
お金を理由に医療をセーブする動きは、実は若い人にも見られます。夫と幼い子どもと3人暮らしで、末期の乳がんを患っていたBさん(42)もその1人でした。
がんが進行し、自宅で過ごすには、容体の急変に備えて訪問診療が必要な状況だったのですが、医療費を理由にしばらく渋っていました。
Bさん一家は一般的な所得がある家庭でしたが、Bさんは自分が亡くなったあと、幼い子どもに少しでもお金を残してあげたいとの思いから、抗がん剤治療を継続するかどうかも迷っていました。
お金を理由に、本来、服用しなければならない薬を自己判断で休むことも続いており、彼女を担当していた病院の主治医もお困りのようでした。
子どもにお金を残したいから
若いがん患者さんで、特にお子さんがいる場合に見られるのが、Bさんのように「子どもにお金を残したい」という理由から、医療費をセーブしようとする動きです。
入院すると保険金が下りる民間の医療保険などに加入している場合、本当は家で子どもと一緒に過ごしたいのに、「入院すると保険金が下りるから」という理由で、残された時間を病院で過ごそうとされる方もいます。
「子どものために」という親心を否定するわけではありませんが、治療によって良くなったり、残された時間を延ばすことができる可能性が少しでもあるなら、やはりそれは本末転倒だと筆者は考えています。
もちろん、治療による効果と副作用と照らし合わせて、治療をしないほうがいい時間を持つことができそうだと考える場合は、それでいいと思います。
しかし、治療費を節約して適切な医療を受けるのを諦めたり、本当は家族と過ごしたいのにお金のために入院したりといった行動は、優先順位を見失っていると言わざるを得ません。
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