夏野・ホリエモン、「激烈な報酬格差は当然だ」 「WORK RULES!」刊行記念"働き方"対談

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堀江:まさに僕がずっと実践していたことで、ライブドアの幹部はみんなそうでした。

一流のエンジニアは平均の1万倍の価値がある

山田:優秀な人をどうやって処遇するかについても触れられています。この本では、プログラマーの価値について書いていて、グーグルでは一流のエンジニアは平均的なエンジニアの1万倍の価値があるとまで書かれています。

夏野 剛(なつの・たけし)慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授。早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、2008年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、DLE、GREEの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバーでもある。

夏野:そんなのは当たり前でしょう。

堀江:プログラマーで1万倍はなかなか難しいけれど、1万倍のヤツはいますよ。

夏野:これはプログラマーじゃない。アーキテクト。

堀江:でも、アーキテクトだけどコードは書けます。

夏野:コードを書けるアーキテクトもいいんだけど、やっぱアーキテクチャーをきちんと設計できる人間と、きれいなコードを書く人間はちょっと違う。

堀江:きれいなコードを書かなくていいから、納期に間に合わせるとか。

夏野:そうなんだけど、全体を俯瞰できるのと優秀なプログラマーは違う。

堀江:それはすごくわかります。ライブドアでは最初にすごく優秀なプログラマを雇ったんです。ただ、プログラマとしては優秀でも、俯瞰はできない。

夏野:だから、優秀なエンジニアの300倍にはいくんだけど、コードを書くのは時間がかかります。

堀江:今、LINEのCTOをされている池邉智洋さんとかは1万倍かも。

夏野:それはたぶん、プログラマーから次のステージに行っている。ビジネスアーキテクチャーを組むとか。

堀江:僕がライブドアを辞めていちばん惜しいと思っているのは、彼らを中心としたソフトウエアエンジニアのチームが自由に使えなくなったこと。それはおカネを出して買えるものではないのです。

山田:日本では、報酬にあまり反映しないものですが……。

夏野:そうなんですよ。ほんとかみしめています。家族が言ってくるのです。「誰々さんが家建てたとか、飛行機を買ったけれど、うちはどうしてどちらもないの?」って。そこらのベンチャー社長より私のほうがよっぽどおカネは稼いだんだけどね。

山田:そういうことですよね。報酬が見合ってない。

夏野:でも、さすがに公平でないといけないみたいな発想はもうないでしょう。

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