グーグル「ジャーナリスト支援事業」の本気度 新しい取り組み「News Lab」は何をもたらすか
オンラインでの報道が中心になる中で、「ジャーナリズムの危機」が叫ばれるようになって久しい。紙の新聞が全盛だった時代と比べて、丹念な調査報道が難しくなっている、との指摘がなされることが多い。
この悩ましい問題をテクノロジーによって解決しようとしているのがグーグルだ。同社が6月22日に発表した「News Lab」は、グーグルのサービス群を活用したデジタルジャーナリズムの支援活動といえる。情報やコミュニケーションを活用した質の高いニュースを作り出す活動を支援する今回の新しい取り組みは、未来のメディア、そしてジャーナリズムにどのような影響を与えるのだろうか。
Googleのツールをリサーチと表現に
「News Lab」は、グーグルのサービスを活用したジャーナリズムの促進活動と位置づけることができる。しかし、現段階で言えば、必ずしも全く新たなツールを提供しているわけではない。既存のサービスを活用すればニュース作りに生かすことができる、というガイドの要素もある。
News Labのウェブサイトには、「Tools」「Data」「Programs」「Experiments」の4つのタブが用意されている。
それぞれのタブでは、グーグルのサービスをニュース作りに生かす方法がガイドされている。例えばおなじみのグーグル検索では、詳細なニュース検索が可能だ。2003年からのウェブニュースのアーカイブから、キーワードだけでなく、期間を限定した検索、ファイルタイプを指定した検索などをできることが学べる。
「Google Public Data Explorer」は質の高い公共データの活用と表現を作ることができるほか、アンケートを採って結果をまとめる「Google Consumer Survey」、他の言語の情報を翻訳する「Google Translate」等が用意されている。仮説のための事前リサーチや、統計データを活用するツール群は、すでにあるのだ。
また、定点観測的に情報を追いかけることができる「Google Alert」、リサーチ情報が閲覧できる「Google Trend」によって、より新しい、リアルタイムのデータにアクセスすることも可能だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら