夏野・ホリエモン、「激烈な報酬格差は当然だ」 「WORK RULES!」刊行記念"働き方"対談

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夏野:しかも、インドの会社って最初からグローバル。そこが中国と違うところですね。海外にも出ていく。でも、インドは人脈がないとなかなか投資してくれないし、投資させてもらえない。だからニケシュさん。もうそれだけでいい。

「好きこそものの上手なれ」と「丸投げ」

山田:最後に、お2人のワーク・ルールズといいますか、「仕事のマイルール」を教えていただけますか。

夏野:「好きこそものの上手なれ」です。こういう時代になってきて、さっきの優秀っていう定義って何? というのがわからない。昔は、試験で点数が取れればよかったですが、メモリ能力という点では、僕はiPhoneに負けている。こんなときには、どの分野で優秀なのか、突き抜けてくかということが大事。突き抜けられる分野は好きな領域ですから。

組織も、好きな人を充てる。ワークライフバランスばかり考えているような人を充てたら失敗します。ところが好きな人は、そんなこと言っていられないくらいですよね。だから僕は、「好きこそものの上手なれ」を組織でも個人でも、採用でも、すべてにおいて突き詰めることが大事だと思います。

堀江:僕は「丸投げ」です。優秀な人というより、やりたい人に丸投げ。何でもかんでもデカい会社で自分のコントロール下でやるって、面倒くさいし、こんなのまで見ていられないよ、みたいなことってあるじゃないですか。利益率の低いビジネスとか、時間ばかりかかるし。

僕はメールマガジンに毎週ひとつ、「こんなことをやったら?」みたいなビジネスアイデアを書いています。ものによってはやり方次第ですが、年商数千万円ぐらい。月額864円で、月に4つ見られる。誰がやってもいいし、僕は権利とか何も主張しませんが、それでいい。誰かがやってくれるといいな、みたいなこと。むしろ、そこで社会全体がよくなって、僕が使うときに便利になれば、などと考えています。

夏野:別に他人のアイデアだっていいですからね。だから、独占するとかしまっておくとかやっても、しまっている間に腐っちゃうから価値がない。

堀江:よくそういう人が来るんです。特許を取ったから、どうのこうのみたいな。

夏野:特許を取っている間にビジネス化できないなら、特許を取る意味もない。審査にすごく時間かかる。だから有効な特許というのは、人からおカネを取るっていうことだけを狙った特許以外に関しては、もう特許申請中にビジネスにしないとダメですね。

堀江:特許って、公開された時点で誰でも見られるんです。だから、今はシェアしてみんなでブラッシュアップするっていう時代です。たぶん、世の中を変えると思うようなビジネスアイデアを思いついている人って、おそらく1万人以上いるでしょう。

夏野:あとはやるかやらないか。やった人が勝つ。やらない人はチャンスはない。

堀江:やった人のうちの100人に1人ぐらいが成功する。そんな感じでしょうね。

(構成:砂流 恵介、撮影:今 祥雄)

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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