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【中国半導体の父】TSMC創業者と決別して「中国半導体」に懸けた情熱、創業から国策企業へ至るまでの数奇な展開、中国国家との微妙な距離感とは

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TSMCを辞めて中国でSMICを創業したリチャード・チャン氏だが、TSMCとの訴訟で2009年にCEO退任に追い込まれた(写真:SMIC、TSMC)

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彼がいなければ、中国の半導体産業ははるかに遅れていただろう――そう呼ばれるのが、半導体製造受託(ファウンドリー)であるSMIC(中芯国際)創業者のリチャード・チャン(張汝京)氏である。
半世紀にわたるチャン氏のキャリアは、半導体産業の中心が西(アメリカ)から東(アジア)へ移った産業史そのものだ。ロングインタビューの締めくくりとして、自身のキャリアと中国政府との微妙な距離感を語ってもらった。
【第1回】中国半導体の父が明かす「EUV国産化まであと5年」
【第2回】中国半導体の父「日本企業への出資」で狙う新市場
【第3回】TSMC創業者と決別して「中国半導体」に懸けた情熱

――あなたは中国最大の半導体メーカー・SMICの創業者であり、中国の半導体産業の父と呼ばれています。SMICの創業に至った経緯を教えてください。

私は中国・南京で生まれ、ごく幼い頃に両親に連れられて台湾に移住しました。台湾大学卒業後にアメリカに留学し、1977年に大手半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツ(TI)にエンジニアとして入社しました。

TIは世界最大の半導体メーカーのひとつでしたが、当時はコンシューマービジネスにも参入しており、私は「スピーク&スペル」という子ども向けの英語学習用おもちゃを開発する部門で働いていました。

その部門のトップが、後にTSMCの創業者となるモリス・チャン(張忠謀)氏でした。

モリス・チャンは「管理職には容赦なかった」

――当時のモリスは、どんな人物でしたか。

モリスは元々、産業用の半導体で頭角を現した人物であり、TIがコンシューマー製品をやることを好ましく思っていなかったようですが、この部門を立て直すために会社の方針で任務に就いていました。

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