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通信キャリア主導で進むネット銀行再編、既存銀行もデジタルバンク開業で預金獲得競争はこれからが本当の正念場

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住信SBIネット銀行は親会社NTTドコモとの連携を加速し、銀行名も2026年8月に変更する。写真は25年12月の記者会見。左からNTTドコモの前田義晃社長、住信SBIネット銀行の円山法昭社長、三井住友信託銀行の大山一也社長 (撮影:尾形文繁)

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国内市場縮小やグローバル競争激化、テクノロジーの進化など、環境変化の波が大きくなる中、各業界でM&Aや事業統合、提携が相次いでいる。本特集では『会社四季報 業界地図』と完全コラボ。注目業界を中心に、再編の歴史を踏まえながら最新動向と今後の見通しを解説・予測する。

2001年にイーバンク銀行(現楽天銀行)が国内初のインターネット専業銀行(ネット銀行)として事業を開始してから四半世紀。現在までに9行のネット銀行が個人顧客などに対して預金や住宅ローンなどのサービスを提供している。25年7月には中小企業などの事業者向けに特化した池田泉州ホールディングス(HD)傘下のネット専業「01(ゼロワン)銀行」も開業した。

非対面取引が進展したコロナ禍以降、ネット銀行は急速に顧客基盤を拡大してきたが、足元では存在感を一段と強めている。金利が復活して預金の重要性が増す中、25年9月期においてネット銀行9行のうち8行で預金残高の伸び率が対前年同期比2桁となった(下表)。全国銀行(105行)の1.5%や都市銀行(5行)の0.5%(いずれも全国銀行協会調べ)と比べて、破竹の勢いだ。

グループ内に銀行がなかったドコモが住信SBIを傘下に

ネット銀行で首位に立つ楽天銀行の預金残高は、地方銀行と比較しても横浜、千葉、福岡銀行に次ぐ4番手の規模に達しており、口座数1732万は国内4位のりそなHD(約1600万口座)をもしのぐ。住信SBIネット銀行の預金残高も、地銀4位の静岡銀行に次ぐ規模となっている。

ネット銀行の預金増加を支えているのが、「アプリの利便性」や「低コスト経営を背景とする魅力的な金利」に加え、「ATM手数料水準の低さ」「BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)を通じた外部企業へのリーチ」「証券口座とのスイープサービス」などだ。そしてもう1つ、大きな要素がある。「親会社のサービスと連携した各種の優遇・特典」だ。

とりわけ25年は、こうした連携の深化を図る通信キャリアグループが主導する形で、ネット銀行の再編が一気に進んだ。25年1月には、KDDI傘下のauフィナンシャルHDが三菱UFJ銀行と共同出資していたauじぶん銀行を100%子会社化。4月にはソフトバンク傘下のPayPayが、Zフィナンシャル(25年8月、LINEヤフーが吸収合併)と三井住友銀行が46.57%ずつ出資していたPayPay銀行を連結子会社化した。

さらに10月には、通信キャリア大手4社で唯一グループ内に銀行がなかったNTTドコモが、TOB(株式公開買い付け)により住信SBIネット銀行を連結子会社化。26年8月には「ドコモSMTBネット銀行」へ名称を変更する。

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