中国政府が国策半導体ファンド「第3弾」を設立 資金規模7兆円超、財政省や国有金融機関が出資

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中国政府は国策半導体ファンドを10年前に立ち上げ、国内の半導体産業の育成を後押ししてきた(写真はイメージ)

中国政府の国策ファンド「国家集成電路産業投資基金」の3号ファンドが、5月24日に設立された。その運用会社の資本金は1号ファンドと2号ファンドを上回る3440億元(約7兆4540億円)に上り、主に半導体関連の株式取得や資産運用に投じられる。

国家集成電路産業投資基金は、桁外れの資金規模から「大基金」の異名を持つ。大基金3号ファンドの運用会社は北京に登記され、代表者には中国工業情報化省出身の張新氏が就任した。

最大の出資者は財政省

法人登記情報によれば、大基金3号ファンドの出資者リストには中国財政省(訳注:日本の財務省に相当)、国家開発銀行傘下の国開金融や上海国盛集団などの国有投資会社、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行、交通銀行などの国有銀行大手を含む19組が名を連ねる。最大の出資者は財政省であり、出資比率は約17.44%だ。

代表者の張氏は1年余り前の2023年3月、工業情報化省企画局の一級監察官から、大基金の1号ファンドと2号ファンドの代表者に抜擢された。前任者の丁文武氏が2022年7月、重大な規律違反の容疑で(中国共産党の汚職調査部門である中央規律検査委員会に)身柄を拘束されてから7カ月後のことだった。

「丁文武氏と比べて、張新氏は目立つ行動を避けている。(半導体関連のフォーラムなど)公の場で講演することはほとんどない」。ある半導体業界の関係者は、財新記者の取材に対してそう述べた。

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